Lilly、1,016基のBlackwell Ultra GPUでAI Factory「LillyPod」を本格稼働
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製薬企業の「自前AI基盤」が実運用へ
NVIDIAの2026年2月26日投稿によると、Lillyは製薬企業として自社保有・自社運用の大規模AI factory「LillyPod」を本格稼働させた。記事では、同システムを世界初のDGX SuperPOD with DGX B300と位置づけ、1,016基のNVIDIA Blackwell Ultra GPU、9,000 petaflops超のAI性能を備えると説明している。構築期間は4か月、稼働開始はインディアナポリスでのセレモニーで公表された。
注目点は性能値そのものだけではない。Lillyが創薬向け計算基盤を外部依存から部分的に内製化し、研究要件に合わせて高速に運用できる体制を整えた点にある。
対象ワークロード: タンパク質・低分子・ゲノミクス
NVIDIA記事では、LillyPodがprotein diffusion model、small-molecule graph neural network、genomics foundation modelの大規模学習を支えるとされる。Lillyのゲノミクスチームは700TBのデータと290TB超の高帯域GPUメモリを活用でき、システムは約5,000接続で構成、配線には1,000ポンド超のファイバーが使われているという。
従来のwet lab中心の探索では、ターゲット当たり年間約2,000分子アイデアの検証が一般的だったが、dry labの並列計算を拡張することで数十億候補の評価が可能になると説明される。これにより、実験前の選別精度向上と開発速度の改善が期待される。
TuneLabと連合学習でバイオテック連携を拡大
Lillyは一部モデルをTuneLab経由で外部バイオテックに提供する計画を示した。記事では、Lilly独自モデルとNVIDIA BioNeMoのopen foundation modelsを併用し、NVIDIA FLAREベースのfederated learningでデータ分離を維持する方針が示されている。さらに、2030年までに当該インフラを100% renewable electricityで運用する目標も公表された。
総じてLillyPodは、単なる計算能力の増強ではなく、創薬の意思決定プロセスを「実験前シミュレーション中心」に再設計する試みと見られる。今後は候補化合物発見速度、臨床移行の成功率、製造最適化の実測値が成否を左右する。
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