MCPがセッション固定を撤廃、エージェントサーバーは通常の負荷分散へ
Original: Scaling AI Agent Infrastructure with the MCP Stateless updates View original →
エージェント基盤の詰まりどころが、プロトコル側から取り除かれる。Google Developers Blogは2026年8月5日の記事で、2026-07-28 Model Context Protocol specification release candidateがtransport-level session managementを廃止すると説明した。MCPはローカルのツール接続には適していたが、Kubernetes、load balancer、serverless環境でremote MCP serverを動かすと、stateful transportが運用上の負担になっていた。
従来のHTTPモデルでは、初期化後にサーバーがMcp-Session-Idを返し、その後のtool callやresource queryは同じセッションを持つ特定のcontainerまたはpodへ戻る必要があった。3つのpodの前にstandard round-robin load balancerを置くと、2回目のリクエストが別podへ飛び、400 Session Not Foundになる可能性がある。結果としてsticky session、Redis session store、gateway-level packet inspectionが必要になっていた。
新しい仕様では、各リクエストが自己完結する。protocol version、client info、capabilitiesは接続時に一度だけ交換されるのではなく、各リクエストの_metaに入る。initialize / initialized handshakeと論理的なMcp-Session-Id headerは削除される。Googleは、この変更により通常のHTTP load-balanced infrastructure上で、どの健全なserver instanceでも任意のリクエストを処理できると説明している。
運用面の差分も明確だ。Mcp-Protocol-Version、Mcp-Method、Mcp-NameといったHTTP headerにより、proxyやgatewayはrequest bodyを読まずにrouting、rate limit、auditを処理できる。Multi Round-Trip Requestsは、tool call中のユーザー確認やserver-to-client promptを、長時間開いたSSE connectionなしで扱う。セキュリティ面ではissuer verification、resource indicators、JSON Schema 2020-12のtool schema対応が入った。
移行はすでに始まっている。Googleによれば、TypeScript、Python、Go、C#の4つのTier-1 SDKは2026-07-28仕様に対応するbeta releaseを持つ。GitHub MCP Serverのようなproduction serverも新仕様へ移行し、Redis session storageを取り除いた。Roots、Sampling、Loggingは正式なdeprecation policyの対象となり、最低12カ月の移行期間が設けられる。MCPがローカル連携から企業向けエージェント基盤へ進むなら、このstateless化が実運用の前提になる。
Related Articles
GoogleはGemini Enterprise Agent Platformの評価機能をGAにし、開発時の実験と本番トラフィックを同じエンジンで測れるようにした。20以上の指標、adaptive rubrics、simulator、drift alertが一つの運用面に入る。
Googleは4月21日、Deep ResearchをGemini 3.1 Proベースへ引き上げ、MCP接続とMaxモードを加えた。Web検索、アップロード済みファイル、ライセンスデータを一つの調査フローにまとめたい金融・ライフサイエンス向けの動きだ。
GoogleのGemini Flash更新で注目されたのはモデル名の追加だけではない。出力token削減、低価格、CodeMenderと組み合わせたCyberモデルが、agent workflowの経済性を示している。